4月5日 本屋大賞
というわけで今回もぼくと天野さんはアンベール(大賞発表の瞬間に受賞作パネルからベールをはぐ係)を任命されました。光栄すぎて手が震えてきます。今朝飲んできた牛乳が……
二度目だから大丈夫でしょう? というアナタ。
難易度が上がったのです。
以前はパネルからベールを全面に落とすだけだったのが(いま考えるとなんて簡単!)、「やっぱりポップは立体的に展開したい!」という意見が出て、今回はパネルの前にポップと受賞本を載せた机を置き、その上にふんわりとベールを掛けるというとてもデンジャラスな装いになっているのであります。
「ポップを落としたら大変だなあ」
「本もあやういところにあるぞお」
舞台下で全体管理氏と実行委員会理事長氏が普段は見られぬほど息ぴったりでぼくらを責めてきます。ヒマなのでしょうか? サドなのでしょうか?
さらに、パネルを見てみると、あれれ、前より高くなってる? あわわわ。タカシくん会わない間に随分大きくなっちゃったわねえ現象発生です! チーフ! チーフ!
「大丈夫です、ここに足場を置いてもらいますから」
はい。手は充分に届きましたが……高い! 今度は自分の位置が!
「落ちるなよー」
「落とすなよー」
舞台下から楽しそうな声がします。
通しのリハーサルが始まりました。開場まで時間がありません。素早く進行していきます。
ドキドキドキドキ。
「大賞受賞作は……佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』です!」
バサァッ。
コテン。
あああああああ。
「もう一回アンベールだけお願いします」
「……『一瞬の風になれ』です!」
バサァッ。
コテン。
あわわわわわわ。
「すみません、もう一回」
「……です!」
バッ、クイッ、ズズ。
あれ? あれ?
「あ、うしろに引っかかってますよ」
舞台下にはだれもいなくなっていました。
という試行錯誤の末に今回の本屋大賞ステージ補助のお仕事を終えたのでした。発表会が始まってからのことは全部がキラキラしていてよく思い出せません。
佐藤多佳子さんとの写真撮影のときの書店員さんたちの賑やかなさまと、撤収中にみんなでいっしょに写真を撮ったときに伝わってきた達成感と、打ち上げで飲んだ普段は好きじゃないビールが思いのほかおいしかったことはよく覚えています。