11月29日
秋です。秋といえば紅葉と高い空です。
南荻窪図書館に寄った帰り、環八の空気の悪さに耐えきれず、道を外れて五日市海道に入りました。
車線は広々としていました。路上駐車がないおかげです。舗装も完璧で、風景を楽しむ余裕さえでてきます。
木々がほんのり紅葉しています。陽光の下、気持ちの良い風が吹いてきて、ぼくは上着のチャックを下ろしました。学校帰りの子供たちが走っていました。
ゆるやかな上り坂をのぼりきって、ぼくは驚きの声を出しました。空が二倍三倍ほどに広がったからです。薄い白衣をまとった水色でした。
そこは不思議に街路樹がありませんでした。遠くに井の頭線の高架が見えました。家々が眼下に広がっていました。自分が地球の一番高い位置にいるのだと思いました。
この場所から離れるのは惜しくありました。すると道の先に公園が見えました。たくさんの紅葉が綺麗なグラデーションを作っていました。
あっちには川もあるはずだ。ぼくは次なる美景を期待してペダルをひとこぎ、上着の中に風を詰めながら坂を下っていきました。
浜田さんが帰ってきました。それと同時にみかんが送られてきました。
「おおっ、みかんだみかんだ」
皆はその色合いに心を奪われ、みかん箱に殺到しました。たちまち減るみかん。午後六時半現在、半分以上ありません。数えてみましたが、すでに五十は消費されたようです。十人もいない会社でどうやって五十個もみかんがなくなるのか。だれかが妖怪みかん喰いであるにちがいありません。なんじゃそりゃ。