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第102話   姓は尾呂内、名は南公…?

 この本には参りました!らもさんに拍手喝采!パチパチパチ!
 しゃあけど読めば読むほどウエちゃんの体調が悪くなるような気がする本やねぇ。そぉ言うたら…お天気博士の倉嶋厚さんの『やまない雨はない/妻の死、うつ病、それから…』(文芸春秋)も、そんな本やった!
 大阪ではらもさんはよくテレビに出演する。今から考えるとあの頃のらもさんは、ラリりながらめっちゃ頓珍漢な大ボケをかましていたんやけど…
◆ 『心が雨漏りする日には』(中島らも/青春出版社)

次は20年ほど前に一度買った本。めっちゃオモロいので人に貸していたら行方不明になってしま
った。大切な本やレコード(CD)やビデオは保証金や保証人無しに絶対に人には貸したらアカン!その本の再刊本が本屋さんで「私よ!私はここよ!最後の1冊よ!」…とウエちゃんに呼びかけた!
◆『大阪笑話史』(秋田実/編集工房ノア)
 関西ではお馴染みの秋田実センセの昔懐かしい浪花芸能本である。初出は昭和38年4月からの大阪新聞での170話の連載。漫才作家の秋田実センセは北上次郎と同じで七色の筆名を持つ事でも有名だ。冬がきたら冬我北蔵、春には春のほにゃらら、夏は夏野篤だったと思う。(筆名がちゃうかもしれまへん!)そして田んぼに稲穂が実る秋になると秋田実に変身していた。
 この本には戦前戦後に(戊辰戦争や薩英戦争とちゃいまっせぇ!)活躍した芸人さんが仰山こと出てくる。横山エンタツに花菱アチャコ。かしまし娘に秋田A助B助にワカナ・一郎。日佐丸・ラッパにあきれたボーイズ(益田喜頓・坊屋三郎・川田義雄)。そしてミヤコ蝶々・南都雄二。南都雄二さんの芸名は蝶々さんが漢字を読めなくて「あんたこの字は…なんという字?」…で付いた芸名。あきれたボーイズの益田喜頓さんは喜劇王のマスター・キートンの名前のパクリなんやねぇ。

 2002年11月26日(火曜日)曇…13度/9.5度
 今日は早めに目が醒めた!早い出勤で早い出庫。出庫時間は正午過ぎ。
 いつもの海遊館には午後1時前に到着。今日は誰も歩いていない。暇な火曜日だ。5時間も待つ!最初のお客さんが町内会の八幡屋で660円。ははは!大笑い!気絶寸前!ショックが酷くてこの後の事は全く記憶になし。(ほっといてくれぃ!)

 2002年11月27日(水曜日)晴…12.3度/6.6度
 前日のショックから立ち直りつつ、いつものペースで気分を直して海遊館には午後2時30分過ぎに到着。今日も海遊館のお客さんは疎らである。3時間待って最初のお客さんが乗ってくる。行先は町内会である八幡屋の一つ向こうの町。大阪市港区は朝潮橋で740円。がっははは!大糞笑い!失神寸前!夜になっても売上が伸びない。本日も完全に3回コールドゲーム。
 日付が変わり午前0時30分前。JR環状線の最終電車でやっと3千円弱の距離のオバちゃんが乗ってきて公式記録を5回コールドゲームに変更!
 車庫までの帰り道に誰も立っていなければ本日最後のお客さんになる。
 深夜の3千円ほどの距離は15分程度やけど、そのたった15分の間にこのオバちゃんが喋る!喋る!タクシー内が酸素不足になるほど喋る。
「運ちゃん!とんま天狗を覚えてるかぁ?」…とオバちゃんが聞いて来た。
「覚えてまっせぇ!昆ちゃんのテレビやねぇ?」…とウエちゃんが応えると、
「ほんなら、とんま天狗の本名を知ってるかぁ?運ちゃん!」
 とオバちゃんは言い出した。
「えっ!…?とんま天狗とちゃいますのん?」
「運ちゃん、甘いなぁ!」
「ほんなら、とんま天狗の本名は何ですのん?お客さん!」
 と信号で止まってウエちゃんが後を振り向いて尋ねると、
「とんま天狗はなぁ、姓は尾呂内(オロナイン)でなぁ、名前は南公(軟膏)やねん!びっくりしたぁ?」…と自信満々である。
「ほんまでっかいなぁ、お客さん?」
「ホンマやでぇ、運ちゃん!昔のテレビはなぁ、スポンサーが絶対的な権力を持ってたんやぁ!特に大阪はなぁ!ほれほれ、あったり前田の…言うやろぉ?」
「あっ、ホンマやねぇ!」
「ほんなら運ちゃん!南香菊乃(軟膏効くの)は知ってるかぁ?」 
「誰ですのん、それぇ?」
「オロナイン軟膏の宣伝に出てた浪花千栄子はんの宣伝の中での役名やんかいさぁ!出てはったやろぉ?浪花千栄子はん!」
「お客さん、ひょっとこいて大塚製薬の方でっかぁ?オロナミンCの?」
「ウチなぁ!こんなん調べるんが大好きゃねん!」
「はぁ~、そぉでっかぁ!(アホくさぁ~)」
「めっちゃめっちゃ、うみゃ~でかんわぁ!ハヤシもあるでよぉ!…のオリエンタルカレーを最近みぃへんなぁ?運ちゃん!」
「……!(オバはん!もぉ~、えぇちゅうねん!)」
 今日は5回コールドゲームの割には全力で戦ったような気がする!しんどぉ!

 2002年11月28日(木曜日)晴…13.3度/4.8度
 明日金曜日に予定している日本笑い学会(http://www.age.ne.jp/x/warai/)主催のウエちゃん講演会があるので、事故などのトラブルで講演が中止になってはいけないのでタクシーの運ちゃんは休み。日本笑い学会は大阪のテレビやラジオ、新聞によく登場する。関西では著名な団体だ。HPの役員プロフィールを見ると大阪ではお馴染みの著名な方々が名前を連ねているので前の日から緊張してお腹がゴロゴロ!

 2002年11月29日(金曜日)晴…13.8度/4.3度
 午後6時30分より大阪市港区弁天町駅前のラジオ大阪(OBC)の上にある大阪市民学習センターにて対談形式の講演会の開始。
 司会進行は神戸の県立高校でホンマに教鞭を取っているかどぉかがめっちゃ怪しいO道さん。日本笑い学会の理事でもある。ほんでも怪しいセンセでも一応ガッコのセンセなので進行が上手い!
 ウエちゃんのツッコミの相手役として東京の三鷹でタクシー運転手をやりながら大学講師をやってはるS野さんが来阪。どっから見ても真面目一筋という感じ。
(世の中にはけったいなタクシー運転手がいてんねんやなぁ!)…と感心する。
「僕の専門は英米文学でマークトゥエンがなんちゃらかんちゃら……!」
 と難しい事を言っていたので無視!(それは誰やねん!横文字使うな!)
 こんな難しい奴がもし高校時代にいてたら、体育教官が授業中に内緒の酒宴をする体育館の秘密の地下室に閉じ込めてシバキ上げている!
 先日の滑り倒した全国ネットのテレビ放送とは打って変わり、会場は2時間絶え間なく爆笑に次ぐ爆笑の渦!東京の真面目運転手のツッコミと大阪の天才運転手のボケが絶妙のタイミング!有料講演やのに大阪のおさん客はありがたい。「お・ま・え・は・ア・ホ・か!」…と言うだけで会場が大爆笑!
 正面でなんでかデジタルVが回っている。
「あれ、なんでっかぁ?」…と聞いたら、
「ジュンク堂なんば店のとこにあるワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館)に映像資料として保存する!」…という。どぉも…ウエちゃんが罪を犯した時に動く映像資料として報道機関に売り飛ばすらしい!
 本の雑誌12月号の発行人・浜本茂が書いた編集後記の5行告知を見て来てくれはった奇特な方も何人かいた。ひょっとこいたらこの勢いで全国巡業ができるかもしれへんなぁ?誰かぁ!プロモ~タはいてまへんかぁ?

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