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第98話  お客さんは次男なんですかぁ?

 まずは忘れへんうちにめっちゃオモロい本を一冊紹介!
◆『ボクがナニワのアナウンサー』(寺谷一紀/西日本出版社)
 寺谷さんは関西人なら誰もが知っている大阪弁しかよぉ喋られへん有名なアナウンサー!大阪の某国立大学から某有名放送局に入局してディレクターをしていた超エリート。ほんでもどうしてもアナウンサーになりたくて同局のアナウンサーに転向した変わりモン。「雨が降ってきました!」…というのを「飴が降ってきました!」…と、「橋が完成しました!」…か「箸が完成しました!」…とアクセントしてしまうアナウンサー。大阪からの全国向けのニュースを読んでも緊張してアクセントが大阪訛りになる変なアナウンサー!そんなけったいなアナウンサーが東京転勤の栄転辞令が出てしまったからさぁ大変!普通の人なら「よっしゃぁ!目標は大晦日の国民的歌番組の司会だぁ!」…と大喜びのはずなんやけど寺谷さんはあっさりと「東京でっかぁ?嫌です!ほなぁ、辞めまっさぁ!永いことおおきにぃ!さいならぁ!」…と辞めてフリーになってしまった。そんなけったいなアナウンサーのナニワ超爆笑エッセイが今週のお勧めです。
 そうかそぉか!ほなワイの次回は『ワイが浪花のタクシー運転手』…やなぁ!

 ここんとこ大阪にしかしかあらへん食べもんでエライ盛り上がっています。
「いかなごのくぎ煮なんかどこでもあるでぇ!」…と言う奴もいますが、色々と調べてもやっぱりあれは関西だけの食べもんやったです!
「肉吸い(にくすい)は大阪だけとちゃうかぁ?」…と言う奴が現れました。
 肉吸いは簡単に言えば肉饂飩を注文したら丼鉢の中に饂飩が入ってなくて、肉と出汁が入っているだけのものなんです。
 一応関西では『肉』と付くと牛肉を、『ブタ』と言うと豚肉を、『かしわ』と付くと鶏肉を指す事を補足します。
 この肉吸いには白ご飯がまたよぉ合います。めっちゃ美味いねぇ!
 ここで簡単に肉吸いを作る方法を…まず牛丼屋さんで肉皿を持ち帰りますわなぁ。それか冷凍牛丼を解凍しますわなぁ。即席の饂飩出汁を加えて煮ますわなぁ。これで完成ですわなぁ!これに饂飩玉を入れたら肉饂飩に変身ですわなぁ!(何故か米朝風の語り)

 木枯らし吹く晩は関東煮(かんとだき)やねぇ!
 最近は大阪も関東煮の看板も暖簾もめっきり減って『おでん』…いうて書いてまんなぁ!なんか情緒もへったくれも無いよぉにになりました。いつ頃から関東煮がおでんになったんやろぉ?ウエちゃんが社会人になった1979年頃はまだみんな「ほな寒いさかいに関東煮でも食べに行こかぁ!」…と言うてたから、関東煮がおでんになったんも最近のはずです。ひょっとしたらコンビニの出現と同時進行かもしれへんねぇ。大阪で『おでん』…言うたら又別の食べもんなんやねんけどねぇ。なんでやろぉ?確か関東煮(かんとだき)屋に関西煮もおいてた店もおましたなぁ!(遠い目…)
 寒い日は辛ぁ~いカレーもえぇね!カレーにはやっぱりナンがあうねぇ!ナンが付くんと無いんではえらい違いやねぇ!

 2002年11月4日(月曜日/振替休日)
 天気は晴天。大阪の最高気温は摂氏で12.5度。完全に真冬の寒さ!
 毎度の海遊館から午後3時前に九州へ帰る家族連れを新大阪へ送る。
 1時間ほど前に大分付近で震度5の地震があった事を伝えて、
「日豊線は停まってまっせぇ!ひょっとこいたら新幹線が止まってるかも知れまんなぁ!がっははは!」…とちょっとビビらす。
「どげんもこげんも新幹線は通常通りに動いとるバッテン荒川!博多淡海!」
 と客は携帯電話のJRの運行情報を見て勝ち誇った顔をしている。
 くそぉ~!携帯電話なんて大嫌やぁ!絶対に持てへんぞぉ!…と心に誓う。
 新大阪駅から折り返し自動車専用道路の新御堂筋に乗り南へ下る。5車線南行きの右2車線側の中津ランプで降りるつもりが『雨の御堂筋』を唄いながら調子に乗って左車線を走っていたら、右に毎日放送(MBS)の派手なビルが見えて来た。「あれぇ~?」…と思った時には既に遅く中津ランプをとっくに通り過ぎてしまった!前方を見ると空いているので最終ランプの梅新(梅田新道)まで行く事にする。新御堂筋の梅新ランプを降りて難波まで4キロの南行き一方通行の御堂筋へ。1分ほど走ると『中の島ブルース』の歌詞にも出てくる淀屋橋。淀屋橋を通りすぎて一番右車線の銀杏並木の側道へ。ここはいったい何車線が南行きの一方通行なんやろかぁ?6車線かな?7車線かなぁ?銀杏並木の御堂筋の側道ビルは今でも淀屋橋から心斎橋付近までは昔の百尺法規制(約30m)が不文律で適用されている。心斎橋までの御堂筋はその不文律が守られていてビルの高さが均一で景観の良い道路である。昔は淀屋橋から難波まではビルの高さが均一だった。ある日、東京から進出してきた某ホテルが百尺法の不文律を破ってくれた。まぁ、好きにしてくれぃ!(ドン!)
 北御堂を過ぎて本町通りを西へ、左角になんちゃかんちゃらと言う世界チェーンのコーヒー屋がある。ここは大阪市内で一番排気ガスの多い場所やのに平気な顔で店の外の椅子に座って「私は本が大好きな女よぉ!」…と言わんばかりに足を組み単行本なんかを読んでいるが、よく見ると目が動いていない。「ネェちゃん!本の読み方教えたろかぁ?」…とツッコミかけたがメンドイ(面倒臭い)ので、チェンジレバーをニュートラルに入れて3回ほどアクセルを空吹しして走り去る。
 前方で客が突然手を上げる。千円ほど走って目的地へ。又、前で客が手を上げた。そんな事が5回ほど続く。急に寒くなり本日は休日で出庫台数も大阪全体で少ないのか、次から次へとお客さんが手を上げる不思議な一日だ。車庫へ逃げ帰る雪降る日のようである。
 また客が手を上げた!ほんでもワイのタクシーにはお客さんが乗っている。あちゃ~!このお客さんの目的地は次の信号だ!次の信号でお客さんに予定通りに降りてもらいルームミラーで後を見たら、さっき手を上げた客がワッセ!ワッセ!…と走って来てくれた。おぉ~、ラッキィ~!
「運ちゃん!今日はタクシーが走ってへんなぁ?どないやぁ、暇かぁ?」
 と客は唐突に聞いて来た。
「まいどぉ!今日は忙しいですわぁ!」
「ワイの商売は暇なんやぁ!体もしんどいしなぁ!ワイなぁ次男なんやぁ!しゃぁから、むっちゃ大変やねん!もぉ、どぉでもえぇわぁ!」
「へぇ~!お客さんの長男さんは?」
「東京にいてんねん!」
「へぇ~!お客さんは何人兄弟ですのん?」
「男ばっかりの3人やねん!それがどないしたん運ちゃん?」
「へぇ~!ほんでぇ下の弟さんは何をしてはりますのん?」
「えぇ?ワイが3人兄弟の一番下やねんでぇ!」
「えぇ!お客さん次男なんですよねぇ?」
「誰がぁ?」
「お客さんが!」
「なんで?」
「いや…、さっきお客さんが次男なんやて言いましたでぇ!」
「………ん?」
「次男なんやて聞きましたでぇ!お客さんの口から…?」
「運ちゃん?聞き間違えとんちゃうかぁ?ワイは次男なんと違ぉて『ち』に点々やねんけどなぁ!解かるぅ?秘密に薬を送ってもらう…」
「ううぅぅぅ…!えらいすんまへん!」
 ほぉんまにぃ、ナンがあるんと無いんではエライ違いやねぇ!ポテチン!

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