<<著者のコメント>>
「会社を辞めて漁師になろう!」
そう決心して、私は石川県の能登半島へ行きました。
もともとが東北の山育ちで、はじめのうちは慣れない海で自分でも情けなくなるほど失敗の連続ばかり。ロープのつなぎかたが悪くて小舟を沖に流してしまったり、網からすくった魚を甲板にばらまいてしまったことも一度や二度ではありません。
それでもいつの頃からか、荒々しい能登の海を舞台にしたむくつけき男たちの世界に、どっぷり首までつかっている自分に気がつきました。
本書では、能登で過ごした三年あまりの日々で、私が出会った魅力的な男たちや、遭遇した出来事をまとめました。鬼船頭やアンパンマン、世話好きの船大工。そして食卓をにぎわすとびきり新鮮な魚たちなどなど、能登を離れた今も忘れることができません。
この本を手にとってくれた方に、日本海の潮の香りを少しでも伝えることができたなら、著者としては嬉しい限りです。
